2010年9月25日土曜日

日本沈没

まず最初に私は民主党をこれまで応援してきた人間であることを言っておきたい。
しかし、菅が6月に首相になってからの言動に危機感を感じ、日本の難局を打開するリーダーたる資格がないとこれまで指摘してきた。

そして、案の定、菅は日本沈没の引き金をついに引いてしまった。

尖閣諸島で起きた領海侵犯と公務執行妨害容疑で身柄を拘束していた船長の対応を決定的に誤ったのだ。
ことの仔細は既に報道されており、多くの意見が既に展開されているが、この一件で見える現象は氷山の一角でその底部に菅政権の大きな構造欠陥が垣間見れるのだ。
それを見ていこう。
1. 菅の本件に絡む記者会見を聞きまず呆れた。政治責任を棚に上げ、検察判断に従うという、一国の総理としての発言とは思えない、「判断と責任」のない態度だ。

問題は、国内法を犯した人間を律するための司法の根幹に絡む問題、外国人を拘束するという外交問題、領土を巡る外交問題、経済も絡む広い意味での安全保障問題、国内治安の不安定化に発展しかねない政治問題などなどがあり、単なる一介の司法の視座だけで決められる問題ではない。総理大臣の判断と責任のもとで決まる処理だ。
従って、
(a) まず、今回の意思決定のプロセスと責任の所在を明確にする必要がある。
代表選でも仕切りと「透明性、クリーン」と言って来た舌の根も乾かぬうちのこの始末だけに、透明性をもって責任の所在をはっきりさせるべきだ。詭弁や二枚舌、三枚舌は聞き飽きた。
(b) (a)に絡むが「菅と仙石官邸」のいつもの暴走になっていないか、しっかりと検証する必要がある。何処まで外務省が、防衛省が把握していたか。仙石の私物ではないのだ。

2. 那覇地検の記者会見にも、びっくりした。何故司法の人間が「政治判断」に、しかも「外交判断」に言及するのだ。司法、立法、行政は分離されているのではないか。もし、地検が勝手に政治判断を入れていたら、何を信じて我々国民は司法に従えばいいのだ。司法の暴走だ。大阪地検での証拠改竄の問題といい、根本的に構造改革が必要だ。そんな司法に対して、一国の総理大臣に司法の姿勢を正す発言がないのもおかしい。
(a) しかし、穿った見方をすれば、大阪地検の問題の本質が大きいだけいに、那覇地検の人身御供と引き換えに大阪地検の問題から目を逸らさせる取引はなかっただろうか。
(b) どちらであるにせよ、司法を掌る検察は官僚であるわけだから、検察と官邸のあり方を根幹から問い直さなくては成らない。

3. 先に指摘したように今回の問題は関連する領域が多岐に渉っており、デリケートな対応が必要なのは最初から分かっていた事だ。そのため解決に向けた裏の表の外交がどれほど戦略的に行われてきたのか、検証する必要がある。
結果だけから見るとあまりにも稚拙な外交としか言えず、前原がクリントン国務長官と会談した時の内容は何だったのか。米国で外国メディアに前原が語った言葉を1日と経たずに否定させるような外交は、日本外交の敗北を意味しており、計り知れない日本沈没の危機を、引き起こしている。

早急に立て直さないと、ずるずると沈没する。菅を選んだ国民世論、民主党ははっきりと落とし前をつけるべきだ。

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