2009年8月9日日曜日

知事会は「分権」劇場の三文漫才師か

今朝の新聞を見ました。地方分権公約に関するマニフェストの知事会採点表が乗っていました。
自民党60点、公明党66点、民主党58点。

実は8月3日の新聞で自公政権実績検証大会での全国知事会の数字が掲載されています。政権運営58点、政策実績56点と9グループの中で最高と言っていい評価を与えていました。

これらの数字を見ると、知事会は口角泡を飛ばして、色んなことを言っているが、本当は困っていないのではないだろうか。数字は正直にそれを物語っていると思います。つまり、
現状には60点近い満足度を与え、しかも現政権を継承する2009自公政権公約にこれまた60点以上の満足度を与えている。
そして一方でこれまでメディアを前にして、「中央集権官僚制の仕組みを変える」と豪語してきてます。
この二重性を海外から見たら、「わけの分からない国、日本の政治」と言われかねないと思います。
ひょっとしたら、これって「分権」劇場の三文漫才なのではないだろうか。

その裏付けが「中央と地方の行政システムの根本的なあり方」に深くかかわる道州制の議論でいみじくも見て取れます。
公約の文言を比較すると、2005年公約では道州制では「導入の検討を推進する」となっているのに対し、2009年公約では「検討機関の設置」となっています。実質はなんら変わっていません。
そしてその文言は、よく国会答弁に出てくる官僚的文言の「検討の推進に、前向きに善処します」から一歩も踏み出していないと思います。ある意味今後言質をとられないような曖昧さに包まれた内容です。

分権にとって核ともなる問題で、このようないい加減さを知事会は2005公約評価でも受け入れ、2009公約評価でも受け入れています。本当に知事会は地方分権を考えているのでしょうか。

しかし日本にとって、地域分権への切り込みは、非常に重要で、今の停滞した日本の政治を活性化させる道のひとつです。とくに中央官僚機構改革は今まさにやるべき時なのです。
何故なら、中央官僚機構は恐竜のように巨大化し、そして恐竜のように、環境の変化に適応できなくなっています。
そしてこの対応を間違えると戦前の陸軍省、海軍省の軍務局・参謀組織の独走に政治が歯止めをかけられなかったという苦い経験を繰り返すことになります。

知事会が描く地方分権がどのようなものか、本質をじっくり見抜く必要はありますが、これまでの流れの中ではっきりと見えてきたのは、国民が「表層の議論」でない問題の本質を見ていくことの重要性です。

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