2009年8月29日土曜日

「政と官」の本質を報道しないNHK

29日夜、NHKが各党首の選挙戦密着取材と称して総括の番組を組んだのを見ました。
報道は実像でなく、虚像であるのを改めて感じました。恐ろしい情報操作ですね。そもそも数多くある選挙活動のシーンの中でどこの場面の「情報を切り取り」そしてどこの場面の「情報に張り合わせるか」で話は180度変わることさえあります。実像が一気に虚像に化けるのが分かります。また、報道される各党の時間にも差別があります。これは公平と言う、衣を纏った、恐ろしく偏向された情報操作だと思います。

そして話しは続きます。報道番組で、麻生首相は仕切りに、「政策実現能力」とか、「長きに亘って日本の政治をしてきた実行力」とか、「外交力」とかを口にして、支持を訴えていました。NHKはそこまでです。

でも、真実を、透明性をもって伝えるのが報道機関の使命ではないでしょうか。今から15年以上前になると思います。今でも覚えている読売新聞の宣伝がありました。女子高校生が大人に向かって新聞を見ながら、確か「どうなの一体、透明性の確保とか規制緩和とかが必要だ」というようなことだったと思います。透明性ある報道に向かう勇気が報道機関にとって命と思います。

NHKの勇気が無いのは、麻生首相の発言がまたしても国民を騙しているのに、それを伝えていないことです。
8月27日読売新聞に「政と官」と題して野中尚人 学習院大教授と片山善博 慶応大教授の論説が載っていました。そして政策決定過程の流れ図が乗っています。
政策は各省庁の官僚が決定し、それを自民・公明与党の政調審議会、総務会がただ了承をする「追認システム」に成り下がっていると指摘しています。勿論内閣は与党から提出された政策をこれまた了承すると言う、「事前了承」の連鎖をしているのが実態なのだそうだ。政治不在です。
形骸化しているのに、「党主導」を演出し国民を騙しているのが実態なのだと思います。
麻生太郎はぬけぬけと「政策実現能力」とか、「長きに亘って日本の政治をしてきた実行力」とか、「外交力」とかを口にしています。

今回の選挙は「行政(官僚)が政治をやらない仕組みを作る」ことを目指す選挙だと野中教授は指摘されています。まさにそうだと思います。そして、「政治主導を強めるには官僚組織の透明化も必要だ」と片山教授は述べられています。

地域分権も「政と官」のぬるま湯的馴れ合い体質の創造的破壊と密接に絡んだものですが、地域経済の復興、社会基盤の整備と言う形で国民の目に直接見えるところだけに、国民としては「騙されること無く」しっかりと本質を見つめて一票を投じる責任があると思います。

とにかく自民党には「政と官」のぬるま湯的馴れ合い体質の問題の分析が出来ていないのが「自民党の本当の問題」です。でも、もしかしたら麻生太郎は本気で政調審議会と総務会が政策を作っていると思っているのかもしれません。これって「真夏のミステリー」より背筋が凍る話ですね。

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